「日本近代紙幣の父」キヨッソーネの銅版画の解説

各収蔵品の解説をご紹介します。

「日本近代紙幣の父」キヨッソーネの銅版画

「日本近代紙幣の父」キヨッソーネの銅版画のイメージ

 本作品は、フラ・アンジェリコによる「リナイウォーリの三翼祭壇画」に描かれた天使像を凹版彫刻したものです。日本で印刷局職員に近代紙幣の製造技術を伝えたキヨッソーネによって彫刻されました。これは、母国イタリアで美術絵画の複製版画を制作していたころのものです。写実表現に長けている凹版彫刻の特徴を生かし、衣服や羽などの細部まで原作を再現しています。
 キヨッソーネは凹版彫刻の技術を生かし、明治8(1875)~24年まで紙幣や切手などの原版彫刻を担当するほか、後進の育成にも専心し、紙幣製造技術の発展に貢献したことにより「日本近代紙幣の父」と言われています。

製作年 1860年ころ
技法 腐食凹版(エッチング)
サイズ H483×W360mm

収蔵品ギャラリー一覧ページへ