解説

各収蔵品の解説をご紹介します。

特殊な多色印刷技術 ロシア帝国政府紙幣 3ルーブル

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 お札など、偽造防止が必要な印刷物には、特殊な印刷技術が使われています。この1905年発行のロシアのお札には、19世紀中頃にロシア人のイアン・オルロフが発明した多色凸版印刷技術「オルロフ印刷」が使われています。通常の多色印刷は、色ごとに版を重ね刷りするため、正確な刷り合わせをするのが困難ですが、オルロフは一つの版面に多数の色のインキをつける方法を考案し、細密画線の美しく精緻な多色印刷を可能にしました。
 オルロフ印刷は、その後ドイツに伝わり、「ザンメル印刷」(多色集合印刷)と呼ばれるようになりました。これは凹版印刷にも応用され、現在の日本のお札にも使われています。

発行 1905年
製造地 ロシア
技法 オルロフ印刷(多色凸版印刷)
サイズ H99×W154 mm

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