「いのしし札」と呼ばれたお札 日本銀行兌換券 甲10円

更新日:2024年2月14日

各収蔵品の解説をご紹介します。

「いのしし札」と呼ばれたお札 日本銀行兌換券 甲10円

甲10円券
日本銀行兌換券 甲10円 明治32(1899)年【上】表面 【下】裏面


木戸
【木戸孝允の肖像】エドアルド・キヨッソーネ「内閣顧問勲一等贈正二位木戸公」明治20(1887)年 エングレーヴィング他


明治30(1897)年に銀行券と金貨が交換できる金兌換制度へ移行するにあたり、「日本銀行兌換券」(甲シリーズ)が発行されました。
「甲10円券」の肖像に描かれている和気清麻呂(わけのきよまろ)は、奈良時代の官人で、天皇の位を狙う僧侶弓削道鏡(ゆげのどうきょう)の野望を阻止し暗殺されそうになったとき、突如現れたイノシシの大群に命を救われたといわれています。そのため、裏面中央には守護獣としてイノシシが大きく描かれ、肖像の傍らには、和気清麻呂を祀った京都の護王神社が描かれています。躍動感があり、どこか愛嬌のあるイノシシの姿や発行年の干支がが己亥(きがい)だったということもあり、「いのしし札」と呼ばれ、当時の人々に親しまれました。
肖像の原図は、お雇い外国人のキヨッソーネによるものですが、和気清麻呂の精細な肖像画がなかったため、明治時代の元勲である木戸孝允(きどたかよし)をモデルにしたといわれています。

発行明治32(1899)年
サイズH95×W159mm

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