見どころ解説

特別展示の見どころについて紹介しています。

この特別展示は終了しました。

平成26年度秋の特集展
東京名所・朝陽閣~絵画に残る印刷局工場~

1. 錦絵に描かれた朝陽閣

 印刷局の新工場「朝陽閣」は、明治9(1876)年、東京・大手町に落成しました。建物は、お雇い外国人技師の設計による赤レンガ造りの西洋建築で、当時はまだ珍しいものでした。そのモダンな姿は、世間の大きな話題となったのです。
 明治期には、文明開化に伴って移り変わる景観や風俗などを描いた「開化絵」(錦絵)が数多く描かれましたが、朝陽閣も東京名所の一つとして登場しています。
 ここでは、三代歌川広重や、小林清親らが描いたさまざまな朝陽閣の風景をお楽しみください。

東京名勝之内 常盤橋紙幣局新建出来之図

三代歌川広重画「東京名勝之内 常盤橋紙幣局新建出来之図」
明治10(1877)年

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2. 印刷局の象徴としての朝陽閣

印刷局創立五十年記念絵はがき

印刷局創立五十年記念絵はがき
大正10(1921)年

 朝陽閣は、建物の外観もさることながら、日本経済を支えるお札や切手の製造を一手に担った唯一の印刷工場であり、いち早く西洋式の印刷技術を実用化した印刷業界のパイオニアでもありました。
 時の印刷局長、得能良介(とくのうりょうすけ)は、それまで欧米に製造委託されていた日本のお札事情を憂え、国の威信にかけてお札を国産化しようと、朝陽閣を建てたのです。そこは、当時最新の機械とお雇い外国人技師、そして1000人ほどの職員を擁した、最先端の大規模工場でした。
 印刷局の基幹工場であった朝陽閣は、印刷局の象徴として記念絵はがきなどにも登場します。錦絵とは趣のちがう姿にご注目ください。

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3. 習作に描かれた朝陽閣

藤島英輔画

藤島英輔画(表題不明)
大正12(1923)年

 印刷局には、お札や切手などのデザイン、原版彫刻などに携わる専門職員、工芸官がいます。工芸官が、技術の修練と向上のために描いた数々の習作の題材にもまた、朝陽閣は選ばれています。
 朝陽閣は、大正12(1923)年の関東大震災で崩壊し、その姿は失われてしまいましたが、工芸官の作品は、朝陽閣の震 災前・震災後の姿を記録し、伝承する役割も担っています。

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