見どころ解説

特別展示の見どころについて紹介しています。

この特別展示は終了しました。

平成27年度秋の特集展
お札づくりの戦中・戦後

戦時下の事業

戦時体制下の日本経済

 昭和16年以降、増大し続ける軍事費のために財政赤字が拡大していきました。その補填(ほてん)のために債券を増発したほか、国民に対しては増税や貯金の奨励が行われました。戦時中の日本の財政難の様子を、軍事費を捻出(ねんしゅつ)するために発行した債券や当時の情報誌から垣間見ることができます。

印刷局の紙幣製造

 日本の歴代の紙幣のなかで戦時下の紙幣は突出して品質が低いものです。それは、当時の物資不足が影響していることは容易に想像がつきますが、それだけではありません。
 昭和17年に施行された管理通貨制度によって紙幣は「日本銀行兌換(だかん)券」から「日本銀行券」へと切り替わることとなりました。その「日本銀行券」や国外の戦地で使用する軍票、または、満州国、韓国等の銀行券も製造を担当していたことから、印刷局にとってこの時期は未曽有の繁忙期であり、これらの製造品を大量製造するために、偽造防止効果は低くなっても製造仕様を簡易化せざるを得なかったことが大きな要因でした。
 展示では仕様変更をした技術をご紹介しています。どこをどう簡易化したのか確認しながら、お札を通して混乱のただ中にあった当時の社会の様子を感じていただければと思います。

このページの先頭へ

終戦後の紙幣製造


 戦後の経済的混乱に対応するために、政府は、昭和21年に緊急紙幣を発行しました。この紙幣は、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の指導のもと、これまでにはない新しいデザインが採用されています。しかし、緊急紙幣であるがゆえにこれも偽造防止対策は二の次でした。十分な偽造防止対策が施された紙幣が発行されるのは、昭和25年になってからのことです。
 ここでは、実物資料を交え、戦後の紙幣製造についてご説明しています。
 また、終戦直後に発行された紙幣のデザインとして伝わっている図案を展示しています。今回が初公開ですので、ぜひご覧ください

このページの先頭へ