見どころ解説

特別展示の見どころについて紹介しています。

この特別展示は終了しました。

平成27年度特別展
すかし ~偽造を防ぐ伝統の技~

お札用紙の開発

 お札には、一般用紙とは全く異なる特殊な用紙が使われています。その紙は、偽造防止効果が高く、真贋(しんがん)がすぐに判断でき、耐久性に優れたものでなければなりません。このように、誰にもまねができない独自のお札用紙を開発するため、明治8(1875)年、印刷局の製紙事業は始まりました。
 印刷局が採用した用紙製法は、越前和紙を基礎としたものです。明治の近代化の中で、各製紙会社が洋式機械で一般紙を製造していたのに対し、印刷局のお札用紙は、あえて手すきで、日本古来の製紙技術と原料を用いることで、国内外からの偽造に対抗しようとしていました。
 ここでは、創業期の製紙工場の姿を描く絵画資料や、越前の紙すき職人にまつわる資料、工場で最初期に製造した紙を使ったお札や切手などをご紹介します。

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すかしの技と美


 すかしは高度な製紙技術であることから、容易にはまねできず、しかも、光にかざすとすぐに真贋が判断できるという特性があります。そのため、お札には、印刷局が長年かけて研究開発した複雑なすかしの技術が使われています。
 展示では、近代紙幣で初めてすかしが入った明治15年から現在まで、技術改良を重ねてきたすかしの変遷をたどります。デザインのバラエティ、すかしの入り方など、世につれ変化してゆくすかしの姿にご注目ください。



 また、印刷局では、すかしの技術練磨と研究のため花鳥や山水を題材に、数々の美術的なすかしも製造してきました。これらは、一般には公開しなかった特別なすかしでしたが、明治天皇が関心を寄せたことから、恒例として皇室に献納することとなったものです。1枚の紙の厚薄のみで図柄を表現した「紙の芸術品」、実物をぜひご覧ください。

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技術を生かした特殊紙

 印刷局の製紙事業は、お札や諸証券の用紙製造のために始まったものでしたが、事業目的はそれだけにとどまりませんでした。当初から、日本の製紙技術を牽引(けんいん)し、国産紙の地位向上を図り輸出振興も目指していたのです。
 明治初期には、本業のお札や諸証券の発行数が今より格段に少なかったため、事業を安定させるためにも副業が必要でした。そこで、本業の技術を生かした幅広い製紙事業を展開し、様々な特殊紙の製造販売を行うこととなりました。
 特に、お札用紙の研究から生まれた局紙や不良紙を再利用した壁紙は、その品質の良さから海外でも高評価を得、大いに輸出されました。ここでは、高級装飾壁紙の金唐革紙(きんからかわし)など印刷局製の珍しい特殊紙をご紹介します。

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