2月2日発行の新デザインの普通切手は、国立印刷局の「グラビア印刷」で製造されました。

“日本の自然”を表現する、美しいデザインと色合い

「日本の自然」を統一テーマにした新しいデザインの普通切手12種類が、2015(平成27)年2月2日に日本郵便株式会社から発行されました。昨年の3月3日に発行された新料額の11種類と合わせて、23種類の普通切手が出そろいます。普通切手のデザインの全面的な見直しは、1998(平成10)年以来、約17年ぶりのことです。

これらの普通切手は、国立印刷局の「グラビア印刷」という印刷方式で製造されています。

▼2015年2月2日発行の12種類

2015年2月2日発行の12種類

▼2014年3月3日発行の11種類

2014年3月3日発行の11種類

※1円切手には、近代郵便制度を創設し、“日本近代郵便の父”と呼ばれる「前島密」が引き続き採用されています。

切手帳

これを記念して、普通切手小型シート(2円エゾユキウサギと3円シマリス、1000円旧図柄と新図柄)が入った「普通切手帳」が日本郵便株式会社から発売されています。

詳細は、日本郵便株式会社ホームページをご覧ください。

特色インキを使ったグラビア印刷

切手のカラーマーク

切手のカラーマーク(特色)

印刷において、特に芸術性が求められる図柄で非常に高い再現性を発揮するのが、「特色」を使った印刷です。国立印刷局で製造する切手には、この特色インキが使用されています。切手の余白に印刷されたカラーマークで、その色数と印刷の順番が確認できます。

一般に広く普及しているプロセス印刷は、シアン(青)・マゼンダ(赤)・イエロー(黄)・ブラック(黒)の4原色を掛け合わせて様々な色を再現していますが、特色は、このどれとも違う、特別に調合された色を重ねて印刷します。

それぞれのデザインに合わせて特別に作られた色ですから 、金、橙、黄緑、薄紫色など、プロセス印刷では再現しにくいとされる色や、デザイナーが表現したい繊細な色を的確に表現することができます。

印刷面の拡大図

印刷面の拡大図
上:オフセット印刷(丸いアミ点)
下:グラビア印刷(ひし形のセル)

また、グラデーションを美しく表現することに長けているのが、「グラビア印刷」という印刷方式です。
印刷物を拡大してみると、一般的なオフセット印刷は、アミ点の面積の大小によって様々な色を再現していますが、グラビア印刷物は、「セル」と呼ばれるひし形をした規則的なマス目が幾重にも組み合わさってできています。
オフセット印刷は、平たい版面にインキを乗せてフラットに印刷するのに対し、 グラビア印刷は、版面に掘られたセルのくぼみにインキを詰め、版面に付いた余分なインキをかき落とし、圧胴に挟んで紙に転写させて印刷するため、インキのかすかな盛りや厚みができます。
セルの大きさと深さでインキの量をコントロールするため、グラビア印刷は、 写真や絵画のような細かい階調や濃度の差、質感まで美しく表現することができます。

グラビア凹版による1000円切手

1000円普通切手

他の切手よりもサイズが大きく、高額な1000円普通切手は、「グラビア凹版印刷」という、グラビア印刷と凹版印刷のコンビネーション印刷によって製造しています。

グラビア印刷の得意とするなだらかな階調性と、凹版印刷の特徴であるシャープで立体的な画線を組み合わせることによって、重厚感のある図柄が表現されています。

1000円普通切手の凹版部分は、お札と同じ彫刻技術により原版を作製しており、一般には使用されていない版式のため、偽造防止にも役立っています。

国立印刷局の切手製造

国立印刷局では、グラビア印刷機により、普通切手等を製造しています。
画像処理装置による電子製版を行い、グラビア自動彫刻機による効率的で精密な版面を作製します。印刷後は、目打ち穴の穿孔(せんこう)、断裁を行い、切手自動仕上げシステムによって封包し、納品形態に仕上げます。

切手の製造工程

“紙の宝石”とも呼ばれ、私たちの目を楽しませてくれる美しい図柄の切手たち。手紙に貼れば、当たり前のように送り先に届くものですが、便利なくらしを支えているからこそ、偽造は許されません。
国立印刷局のグラビア印刷切手は、特色や独特な版式を用いることで、美しさだけでなく、高い偽造抵抗力も兼ね備えています。
日本のインフラを支える国立印刷局の技術力が、ここにも生かされています。

発行記念イベント

KITTEの「普通切手販売開始セレモニー」

終了しました。ありがとうございました。

新デザインの普通切手の発売日である2月2日、東京都丸の内にあるJPタワー・KITTE(キッテ)において「普通切手販売開始セレモニー」が開催されました。また、これに連動して、4階の旧東京中央郵便局長室で「新デザイン普通切手展」が開催され、切手の制作過程をご紹介するほか、特色が一色ずつ重ね刷りされていく印刷過程がわかる珍しい資料(号重ね刷り)や、凹版彫刻を担当した国立印刷局工芸官による凹版彫刻の作品などが展示されました。

大分市美術館のコレクション展示

終了しました。ありがとうございました。

大分市美術館

新しい1000円普通切手の図柄の元となった重要文化財《富士図》は、豊後国岡藩(現大分県竹田市)に生まれた江戸時代後期の南画の巨匠、田能村竹田(たのむらちくでん)(1777年~1835年)の40歳代の代表作です。
《富士図》を所蔵している大分市美術館では、1月14日から2月22日まで、富士山をテーマとしたコレクション展示が行われ、国立印刷局お札と切手の博物館が所蔵する凹版原版(複製)や号重ね刷り、その他貴重な切手などをご覧いただきました。

詳細は、大分市ホームページ(大分市美術館ページ)をご覧ください。

(ご意見、お問合せ先)
独立行政法人国立印刷局 広報官室
電話番号:03-3587-4210、4211

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