特殊切手「日本の建築シリーズ 第2集」は、国立印刷局の「グラビア凹版印刷」です。

日本の代表的な建築物を題材としたシリーズの第2集として、特殊切手「日本の建築シリーズ第2集」が、2017 (平成29)年1月6日に日本郵便株式会社から発行されました。
この切手は、昨年発行された特殊切手「日本の建築シリーズ第1集」と同様、国立印刷局独自の「グラビア凹版印刷」という手法で製造される特殊切手です。

特殊切手「日本の建築シリーズ第2集」

第2集は「教王護国寺五重塔」と「東京タワー」をモチーフに、グラビア5色・凹版1色で印刷されています。
グラビア印刷が得意とするなだらかな階調性と、凹版印刷の特徴であるシャープで立体的な画線を組み合わせることによって、重厚感のある図柄が表現されています。凹版部分は、お札(日本銀行券)と同じ彫刻技術により原版を作製しており、一般には使用されていない版式のため、偽造防止にも役立っています。

また、この切手の発行に合わせて、「切手帳 日本の建築シリーズ 第2集」が日本郵便株式会社から発売されます。中には、2種類の単色凹版印刷による特殊切手「日本の建築シリーズ 第2集」が封入されています。

国立印刷局の「グラビア凹版印刷」

「グラビア凹版印刷」は、グラビア印刷と凹版印刷を同時に行うコンビネーション印刷であり、国内では国立印刷局のみが手掛けている技術です。



凹版印刷とは

彫刻風景

凹版印刷とは、凹んだ画線部にインキを詰め、直接紙に転写する印刷方式です。印刷物をルーペで見ると、シャープな画線上にインキが立体的に盛り上がっていて、手で触るとザラザラした手触りがあります。お札(日本銀行券)の偽造防止技術としても使用されている技術です。

凹版印刷における図柄は、モチーフの輪郭線や明暗の全てが点や線の組み合わせにより表現されており、微細な線と点で立体感や質感が表現され、鮮鋭かつ重厚な印刷が得られます。

今回発売された切手帳は、凹版印刷のなかでも直刻凹版といって、彫刻者の手により、鋼版にビュランと呼ばれる特殊な彫刻刀を使用して、画線部を形成する方法により製作しました。画線部は1ミリメートルの幅に10本以上の線が彫刻できるほどの繊細な技術が要求される、まさに熟練の職人技が生かされています。

版面の作製だけでなく、製版や印刷にも特殊な方法を用いるため、複製は困難であり、偽造抵抗力が高いことも特長です。お札では、この偽造防止効果をより強く求めていますが、切手における直刻凹版は、より美しく再現するための表現、芸術性を強く求めています。

グラビア印刷とは

印刷面の拡大図

印刷面の拡大図
上:オフセット印刷(丸いアミ点)
下:グラビア印刷(ひし形のセル)

グラデーションを美しく表現することに長けているのが、「グラビア印刷」という印刷方式です。

オフセット印刷は、網点の集合体である平たい版面にインキを乗せて印刷するのに対し、 グラビア印刷は、版面に掘られた「セル」と呼ばれる極小のひし形のくぼみにインキを詰め、版面に付いた余分なインキをかき落とし、圧胴に挟んで紙に転写させて印刷します。このため、インキのかすかな盛りや厚みができます。

セルの大きさと深さでインキの量をコントロールするため、グラビア印刷は、写真や絵画のような細かい階調や濃度の差、質感まで美しく表現することができます。

国立印刷局では、画像処理装置による電子製版を行い、グラビア自動彫刻機による効率的で精密な版面を作製します。

郵政博物館トークイベント「第9回デザイナーズトーク」

終了しました。ありがとうございました。

この切手の発行を記念して、1月20日(金)に、デザインを担当した日本郵便の切手デザイナーと、凹版彫刻を担当した国立印刷局の工芸官2名によるトークイベントが、郵政博物館(東京スカイツリータウン・ソラマチ)多目的スペースで開催されました。

【テーマ】日本の建築シリーズ切手と凹版彫刻
【日時】2017年1月20日(金)14:00~15:00
【会場】郵政博物館 多目的スペース
【参加料】無料 ※博物館入場料300円が必要です。

詳細は、郵政博物館ホームページをご覧ください。

(ご意見、お問合せ先)
独立行政法人国立印刷局 広報室
電話番号:03-3587-4210、4211

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