ウェブ展示(印刷局の切手の技術)

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はじめに
郵便制度の創設とともに日本で初めて切手が発行されたのは、明治4(1871)年のことです。国立印刷局(以降、印刷局)では、その翌年の明治5年から現代まで約150年にわたり、一貫して切手の製造を続けています。
「小さな芸術品」とも呼ばれる切手には、図柄を美しく精細に表現し、偽造を防止するために印刷局独自の技術を用いたものが多くあります。特に高度経済成長期以降は、技術の改良とともにさまざまな切手が製造され、現在にいたります。
ここでは、その中から注目すべき切手とその技術について、Web展示の形式でご紹介いたします。
切手はサイズが小さいため、細部まで鑑賞できるよう、各ページでは切手の画像を拡大して表示し、一部の技術については動画でもご覧いただけるようになっております。Web展示ならではの鑑賞方法で、切手の世界をお楽しみいただければ幸いです。

グラビア切手と印刷局

印刷局では、グラビア印刷という方法で製造された切手(グラビア切手)を主に製造しています。ここでは、グラビア切手の誕生から戦後、現代のグラビア切手について紹介します。

※切手のアイコンをクリックすると解説がご覧いただけます。

グラビア切手と印刷局

昭和のグラビア切手とさまざまな技術

グラビアはかつての切手印刷方式の中心であり、切手の王様とも呼ばれていました。特に昭和40~50年代においては、切手ブームなどによる需要の高まりに応えて、切手をより美しく精細に表現するため、独自に開発された技術によるグラビア切手だけでなく、グラビア印刷と他の版式を組み合わせた切手も製造されました。

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「階調凹版」を最初に選択すると、順番にご覧いただけます。

特殊な印刷や加工を用いた切手

印刷局では、グラビア印刷に特別な技術を加えた切手を製造しています。また、私たちがふだん使用しているお札には、傾けるとピンク色に見えるパールインキや肉眼では見えづらいマイクロ文字などの技術が使われていますが、切手には同様の技術をデザインの一環として用いたものもあります。ここでは、その一例を紹介します。

※切手のアイコンをクリックすると解説がご覧いただけます。
「パールインキ」を最初に選択すると、順番にご覧いただけます。

さいごに 印刷局の切手製造技術

印刷局が独自に開発した局式凹版や階調凹版の技術を用いた切手は、現在は製造されていません。しかしながら、高度経済成長期にこれらの技術を含む多様な版式を試みてきたことが印刷局の技術発展へとつながり、国内だけでなく世界的にも評価を得られるに至っています。それが海外市場への参入のきっかけともなりました。
印刷局はこの技術力を背景にそれぞれの切手の多彩な表現に応じ、記念切手などにおいては、グラビア印刷やグラビア凹版印刷の特性をいかした芸術性豊かな切手が今も発行されています。最近では、和紙シールを用紙とした切手の製造を行うという世界初の試みにも取り組んでいます。
その一方で、安定的な品質が求められる普通切手においては、長きに渉り切手製造に携わってきた実績と厳密な製造体制によって品質の保持を実現し続けています。

郵便創業150年記念切手小型シート(部分) 500円
令和3(2021)年

世界初の和紙シール用紙にグラビア6色で印刷されている。
ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。拡大画像(画像:62KB) 

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