肖像は、工芸官が手彫りで彫刻しています。
その画線は、1ミリの幅に10本以上の線を彫れるほどの緻密さ。考え抜かれた画線で陰影や質感をいかに表現するかが工芸官の腕の見せ所です。

伝統的な和紙の技術「すき入れ」がベースである「白黒すかし」。この技術は、明治12年以来受け継がれ、そのシャープさ、繊細な陰影表現で世界的にも高い評価がされています。

外国人技術者によって伝えられた彫刻技術は、現在も独自に進化しています。肖像の彫刻では工芸官がまずコンテ画を制作。それをもとに立体感を表現しています。

コンピュータで作製された彩紋模様は、最終的に伝統的な彫刻技術と融合し、お札が完成します。