独立行政法人国立印刷局
印刷局150年の歩み
記念企画
「きんゆう女子。国立印刷局へ行く」
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記念企画「きんゆう女子。国立印刷局へ行く」
前編

「きんゆう女子。」とは?

「きんゆう女子。」は「経済や金融に前向きに関わることでお金にとらわれず、自由で等身大に生きる」をコンセプトに活動されているコミュニティです。2016年3月3日に設立され、2021年7月現在、2,800人ほどのメンバーがおられます。

今回は、お札・官報・パスポート・切手などを印刷されている「独立行政法人 国立印刷局」を訪問しました。
国立印刷局は今年創立150年を迎えられます。
歴史や業務内容、印刷しているものについてたくさん伺いました。

印刷局ってどんなところなのか分からないけれど、お札を製造している場所に取材に行けるなんて、貴重な機会ですよね。「秘密組織のような未知の世界が見られるのかも!」「面白そう!」と、きんゆう女子。のメンバー3名も、とても楽しみにしていました!

有田さん、西村さんにお聞きしました!

国立印刷局からは、総務部人事課の有田さん、管理部情報システム管理課の西村さんに案内していただきました。

国立印刷局、総務部人事課の有田さん。朗らかな方。

国立印刷局、総務部人事課の有田さん。朗らかな方。

有田さんは、小さいころから「ものづくり」に興味を持っておられたそうです。大きくなってから、その夢に「みんなのためになること」をプラスしたとき、「国立印刷局こそ!」と思われたんだそうです。

管理部情報システム管理課の西村さん。ご自身の好きなことが仕事になっているなんて素敵!

管理部情報システム管理課の西村さん。ご自身の好きなことが仕事になっているなんて素敵!

西村さんは、趣味の美術鑑賞と「みんなのためになる仕事」を掛け合わせて、「ぜひ国立印刷局で切手を作る仕事に携わりたい!」と考えられたのだとか。 お二人とも、「みんなのため」という使命感でお仕事をされている姿勢がとても素敵でした。

お札を製造するのがお仕事ですから、お札は「製品」という見方で職場では携わっておられますが、職員の皆さんも、職場を離れて使う立場では、老後のために資産運用をするなど、私たちと同じように大切にお金を扱っているそうです。

国立印刷局さんはWebサイトでたくさんの情報を公開されています。
秘密組織ではありませんが、中にはお札を製造している組織の所在地を秘密にしている国もあるようですね。

印刷局のお仕事というと、なかなか馴染みがなく分からない面も多いのですが、私たちの生活に欠かせないお札や切手などをどうやって作っているのか、とっても気になりますね!

「印刷局」ってどんなところ?

そこで最初に印刷局のお仕事について、教えていただきました。

Q

印刷局は何のための機関で、何を印刷しているのでしょうか?

A

国立印刷局は独立行政法人で、元々は大蔵省、財務省の特別の機関でした。独立採算で運営しているため、税金(運営費交付金)は投入されていません。国立印刷局は、日本銀行券(お札)、旅券(パスポート)、切手など、国民の皆さんの生活に密着した公共性の高い製品の製造や、官報などの情報サービスを提供しています。

Q

150年とのことですが、昔ならではの「こういうものを造っていたよ」というのはありますか?

A

元々、明治4年(1871年)大蔵省紙幣司(しへいし)という名称で創設されました。近代的なお札を一から作るために西洋から技術を取り入れていく中で、写真術の研究もしていました。また、珍しいものでは、昭和時代にはビール瓶の封緘紙も造っていました(大手町に写真館を開いていた時期もありました)。

お札は正式には日本銀行券といいます。

お札は正式には日本銀行券といいます。

Q

お札の印刷不良があった場合は、どうなりますか?

A

お札の製造過程において、厳格に品質や数量の管理を行っており、基準から外れたお札については検査工程等で確実に排除しています。印刷前の規格外のものは汚れや異物の混入などがなければ、紙の原料として再利用しますが、色のついたもの(印刷後)などは一定割合まで再利用します。

使用できないものは、厳格に処分していて、規格外のお札が世の中に出回ることがないようにしています。

Q

規格外のお札は、逆に価値が高くなりそう! 実際はいかがですか…?

A

価格が高くなってしまいかねない規格外のお札を外部に出してはいけないのです。手にしたお札によって価値が異なると、日本の通貨に混乱を与えてしまうため、どのお札もその額面の価値しか持ってはいけないのです。そのため、そこは厳格に管理しています。

Q

お札のキレイな印章はなんのためですか?

A

お札は日本銀行が発行するもので、正式には日本銀行券と言います。お札の表側は日本銀行の総裁の印、裏側には発券局長の印が付されたデザインとなっており、そのお札の価値を証明するという意味合いがあるようです。表側の印章は紫外線を当てると発光します。

Q

私たちがお札を破損した場合に、交換はできますか?

A

お札の面積が3分の2以上残っていれば全額、5分の2以上3分の2未満残っていれば半額で交換できます。
詳しくは、日本銀行のホームページを見てみてくださいね。

Q

今度の新しいお札の肖像に使われる「渋沢栄一」さんは、多くの企業の設立に関わっているようですが、国立印刷局にも関係があるのでしょうか?

A

渋沢栄一さんは、印刷局の前身となる組織の初代トップ(「紙幣頭」(しへいのかみ)、現在の理事長)を務められました。

Q

渋沢栄一さんが新しいお札の肖像に決まりましたね。お札に描かれる人物は、印刷局で決められるのですか?

A

お札の肖像は、財務省、日本銀行、国立印刷局の三者で協議し、最終的には財務大臣が決めています。ただ、国立印刷局がお札全体のデザインを提案することはあります。印刷局内にデザインをする部門があって、パスポートの絵柄や印紙などもデザインしています。

Q

20年で新しいお札になるのは、なぜですか?

A

「私たちの最大のライバルは、どこの企業でもなく偽造犯だ」と言われるくらい、お札は偽造されないようにすることが一番大事です。最新技術で作られていても、コピー機やパソコン、スキャナーなどは技術が進歩するため、20年と決めているわけではないですが、偽造されないように改良をする必要があります。例えばお札の種類を見分けやすい色にしたり、またユニバーサルデザインも意識して識別マークや海外の方でもわかるようにアラビア数字を大きく記載したりと、使う人にとってお札の種類が分かりやすくする目的もあります。

みんな、印刷局さんに興味津々!お札を紙から作ってるってすごい!

みんな、印刷局さんに興味津々!お札を紙から作ってるってすごい!

Q

2000円札は今も流通しているのでしょうか?作ったきっかけは何ですか?

A

2000円札は日本銀行から発注があれば製造しますが、近年は発注がありません。現在も、流通はしています。2000年の九州・沖縄サミットの際に、諸外国では2のつく単位のお札が多いことから、国際化の視点からも、日本でも2のつく単位のお札を出してみようということになったようです。

Q

造幣局との関係は…?ライバル意識などあったりしますか?

A

よくぞ聞いてくださいました!ライバル意識はありません。
詳しく言うと、国立印刷局ではお札、造幣局は硬貨を造っています。
同じ、お金を作っている公的機関ということで、毎年『お金と切手の展覧会』というイベントを造幣局と一緒に開催するなど、協力しながら対応しています。(2020年度及び2021年度は新型コロナウイルス感染拡大を受けて中止)
みなさんにお金について知っていただくイベントで、夏休みに開催しているので、お子さんの自由研究にもピッタリです。

「官報」ってどんなものなの?

ところで、お札やパスポートや切手は普段私たちもよく目にしますが、「官報」ってどんなものなのか想像がつかないので、詳しく教えていただきました。

「官報」が法令など政府情報の公的な伝達手段であることを初めて知りました。

「官報」が法令など政府情報の公的な伝達手段であることを初めて知りました。

【官報に掲載される情報の一部を例示】

Q

実際に見てみると、ちょっと難しく感じますね。これはどのような方に向けて発行されているのでしょうか?

A

官公庁や企業の方などが見ていらっしゃいます。日本政府の動きが分かるような国の広報紙の位置づけです。平日は毎日発行しています。
間違いが許されない出版物のため、チェック体制もしっかりしています。土日祝祭日に発行する必要がある場合は、特別号外が出されることもあります。

Webサイトでは、どなたでも無料で過去30日分をご覧いただけます。また中には会員制(有料)の「官報情報検索サービス」を利用できる図書館もあります。有料会員になれば、30日以上前の過去の記事を読むことができます。紙の官報は、一部の公立図書館でどなたでも見られますよ。

Q

とっつきにくく、読みにくい感じがします…。なぜ難しく感じるのでしょうか?

A

法律や政令などの条文がそのまま載って、一般の新聞のような解説や見出し、写真等がありませんから、読みにくいと感じるかもしれませんね。
閲覧される方によってニーズが違うため、まず目次を見ていただき、興味のあるところを中心に見ていただくと、とっつきやすいかもしれません。
多額の寄付をした褒章受章者の名前が載っている時などは、その中に著名人の名前があるとファンの方が購入されるので売り切れる号もあります。
司法試験、公認会計士、税理士などの国家資格の試験の合格者も掲載され、記念に購入する方もおられます。

政府調達版を合わせた1日の発行ページ数が全52分冊3,240ページになった珍しい官報の写真を見て

政府調達版の官報を見た後に、平成30(2018)年12月27日のTPP(環太平洋パートナーシップ協定)とEPA(経済連携協定)の両条約の公布に伴い、本紙、号外4本、政府調達版を合わせた1日の発行ページ数が全52分冊3,240ページになった珍しい官報の写真を見て

Q

官報はどうやって購入できますか?いくらで販売されていますか?

A

各都道府県に官報を取り扱う官報販売所があります。Webサイトで確認できますので、問合せをしてみてください。確実に購入したい場合は、5日ほど前に予約しておくといいです。基本は32ページで、1部143円のため、ページ数の多い日のものは価格が変わり(値上がり)ます。3,000ページを超えるような場合は1万円ほどになることもあります。
月額だと、ページ数に関係なく1,641円(本体1,520円+消費税121円 送料含まず)なので、1部だけ購入の方が高くなる場合もありますね。

官報のことを全く知らなかったのですが、興味がわいてきました。新聞とは違った視点で、社会の情勢を判断することもできるので、興味のあるトピックがあった日には、まずWebサイトから見てみるのもよさそうですね。

レポートは後編に続きます。偽造防止技術や、紙幣の未来について伺いました!

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