
さくら切手の変遷

明治5(1872)年
さくらが初めて切手に登場したのは、明治5(1872)年。この切手は、四隅にさくらが描かれたことから、その名も「桜切手」と呼ばれています。
さくらは、日本の象徴として、馴染みあるモチーフの一つであり、数多くの切手のデザインを彩ってきました。
特に、販売する期間や場所が限定されない普通切手には、明治、大正、昭和、平成、令和と、すべての時代にさくらが登場するなど、他のモチーフを圧倒しています。
ここでは、歴代の普通切手に描かれたさくらをご紹介します。
なお、博物館の実物展示では、大判の切手シート100面に連なる「満開のさくら」をお楽しみいただけます。
ソメイヨシノの変遷

さくらの名勝

全国各地に点在するご当地自慢のさくらの名勝。お札と切手の博物館がある北区王子には、八代将軍徳川吉宗が1270本のさくらを植樹し庶民に開放したことで知られる飛鳥山があります。
ご当地を彩る美しいさくらが描かれているのは、「ふるさと切手」です。この切手は、各地の景色や名産品などを題材に地方の魅力を広く発信する目的で発行されており、さくらの名勝もこれに一役買っているというわけです。
地域に固有のさくらは、都府県の花や天然記念物に指定されています。

名画に咲くさくら
さくらは、有名な画家の作品の題材としても登場します。これらの作品は、日本切手の芸術性を広めるための切手や、海外向けの切手、特別な記念切手のシリーズ等に採用されています。
ここでは、多様に表現される華やかなさくらをお楽しみください。また、小さな紙面に原画を忠実に再現したグラビア印刷の美しく繊細な色遣(づか)い※にもご注目ください。
グラビア印刷とは、「セル」というひし形のくぼみの大小や深浅で色の濃淡を表現する方法。そのインキは、つややかで厚みがあり、国立印刷局のベテラン職員が特別に調合した固有の色(特色)を採用していることから、色の深みや鮮明度の再現に優れている。

日本の象徴・さくら
日本の国花であるさくらは、外国との修好を記念する切手のほとんどに登場するほか、友好関係の証としても描かれています。

再発見 お札のさくら
さくらは、切手だけでなくお札の脇役としても長年活躍しています。どこにさくらが描かれているか、ぜひ見つけてみてください。