お札の製造工程(写真)
国立印刷局では、お札の用紙やインキの製造をはじめ、原図や原版の作製、印刷・仕上までを一貫して行っています。お札ができるまでの工程を写真でご紹介します。
動画で見るお札の製造工程は、こちらのページでご紹介しています。
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製紙工程
独特の色や手触り、耐久性に特徴がある日本のお札の紙ができるまでをご紹介します。
1.原材料

お札の用紙は、みつまたやアバカ(マニラ麻)などを原料としています。これにより、独特な感触と風合いを持ち、特殊な印刷と日本の流通環境に適した、丈夫な用紙が生み出されます。
2.裁刻(さいこく)

紙の材料であるパルプを裁刻機で細かく刻みます。
3.離解(りかい)

パルプの繊維を大量の水の中で解きほぐします。
4.精選(せいせん)

原材料に含まれる異物を取り除きます。
5.叩解(こうかい)

繊維の絡み合いが良いと強い紙になるため、さらに繊維を細かくすりつぶし、絡みやすくします。
6.調合(ちょうごう)

薬品と混ぜ合わせ、紙のもととなる「紙料」(しりょう)ができあがります。これらの工程は、集中管理装置により制御されています。
7.抄造(しょうぞう)

「紙料」を網の上に薄く流して抄き、精巧なすき入れ(白黒すかし)を施し、乾燥させて巻き取ります。
8.断裁

巻き取られた紙を、印刷に適した大きさに切り分けます。お札の用紙は、次の印刷工程に送られます。
材料工程
お札づくりに必要な版面やインキができるまでをご紹介します。
1.原図(げんず)

国立印刷局には、高度な技術と芸術的センスを持った工芸官というデザインや彫刻の専門職員がいます。
工芸官は、お札のもとになる絵(原図)を、筆や色鉛筆を使って精密に描きます
2.原版(げんぱん)

原図をもとに、ビュランという特殊な彫刻刀を使って、金属板に点や線を一本一本刻み込み、原版を作製します。
3.デジタル製版

お札の背景の細かい模様や、彩紋(さいもん)と呼ばれる幾何学模様は、最新のコンピュータシステムでデザインします。
4.版面作製

工芸官が彫刻した1枚の原版をもとに、多面の大きな印刷用版面を作ります。
印刷時の耐久性を向上させるため、めっきを施し丈夫にします
5.インキ製造

顔料とワニスなどを独自の配合で練り合わせ、独特な美しい色合いと、優れた機能をあわせ持ったインキを作ります
印刷工程
凹版印刷をはじめとする、特殊な技術を施していく印刷工程をご紹介します。
1.印刷

国立印刷局が開発したお札専用の印刷機に版面をセットし、裏面、表面の順番で図柄を印刷します。
凹版印刷とオフセット印刷を同時に行うので、細かい模様を高い精度で印刷することができます。
2.ホログラム貼付(ちょうふ)

一万円券と五千円券には、傾けることで色や模様が変化して見えるホログラムを貼り付けます。
3.記番号印刷

表裏の模様を検査し、アルファベットと数字の組み合わせである記番号と、表面の印章(いんしょう)を印刷します。
4.断裁

断裁機で、お札を決められたサイズに正確に切り分けます。
5.検査・仕上

断裁されたお札を、機械で1枚ずつ検査し、枚数確認と帯かけを行い、千枚ずつの束に仕上げます。
6.封包(ふうほう)

フィルムで封包したのち、日本銀行に納入します。
7.日本銀行へ

このように、国立印刷局では徹底した管理体制のもと、高品質で均質なお札を生み出しています。
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