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郵便切手

更新日:2024年3月11日

郵便切手について

郵便切手は、小さなキャンバスの中に広がる「小さな芸術品」と言われています。
国立印刷局では、グラビア印刷方式を駆使し、繊細な画線や豊かな階調の再現により、奥行きのある郵便切手を製造しています。
また、グラビア印刷と凹版印刷を組み合わせた郵便切手や世界初の和紙シールを用紙とした郵便切手など、伝統と様々な技術が融合された郵便切手として、海外からも高く評価されています。

特色インキを使ったグラビア印刷

印刷において、特に芸術性が求められる図柄で非常に高い再現性を発揮するのが、「特色」を使った印刷です。国立印刷局で製造する切手には、この特色インキが使用されています。切手の余白に印刷されたカラーマークで、その色数と印刷の順番が確認できます。
一般に広く普及しているプロセス印刷は、シアン(青)・マゼンダ(赤)・イエロー(黄)・ブラック(黒)の4原色を掛け合わせて様々な色を再現していますが、特色は、このどれとも違う、特別に調合された色を重ねて印刷します。
それぞれのデザインに合わせて特別に作られた色ですから 、金、橙、黄緑、薄紫色など、プロセス印刷では再現しにくいとされる色や、デザイナーが表現したい繊細な色を的確に表現することができます。

また、グラデーションを美しく表現することに長けているのが、「グラビア印刷」という印刷方式です。
印刷物を拡大してみると、一般的なオフセット印刷は、アミ点の面積の大小によって様々な色を再現していますが、グラビア印刷物は、「セル」と呼ばれるひし形をした規則的なマス目が幾重にも組み合わさってできています。
オフセット印刷は、平たい版面にインキを乗せてフラットに印刷するのに対し、 グラビア印刷は、版面に掘られたセルのくぼみにインキを詰め、版面に付いた余分なインキをかき落とし、圧胴に挟んで紙に転写させて印刷するため、インキのかすかな盛りや厚みができます。
セルの大きさと深さでインキの量をコントロールするため、グラビア印刷は、 写真や絵画のような細かい階調や濃度の差、質感まで美しく表現することができます。

凹版印刷について

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凹版印刷とは、凹んだ画線部にインキを詰め、直接紙に転写する印刷方式です。印刷物をルーペで見ると、シャープな画線上にインキが立体的に盛り上がっていて、手で触るとザラザラした手触りがあります。お札(日本銀行券)の偽造防止技術としても使用されている技術です。

凹版印刷における図柄は、モチーフの輪郭線や明暗の全てが点や線の組み合わせにより表現されており、微細な線と点で立体感や質感が表現され、鮮鋭かつ重厚な印刷が得られます。

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