写真で見る製造工程
国立印刷局では、お札の用紙やインキの製造をはじめ、原図や原版の作製、印刷・仕上までを一貫して行っています。お札ができるまでの工程を写真でご紹介します。
動画で見るお札の製造工程は、こちらのページでご紹介しています。 お札の製造工程(動画)ページへ
独特の色や手触り、耐久性に特徴がある日本のお札の紙ができるまでをご紹介します。
お札の用紙は、みつまたやアバカ(マニラ麻)などを原料としています。
これにより、独特な感触と風合いを持ち、流通環境にも適した、丈夫で特殊な用紙が生み出されます。
用紙の原材料となるアバカパルプを機械で細かく刻みます。
パルプの繊維を大量の水の中で解きほぐします。
原材料に含まれる異物を取り除きます。
繊維の絡み合いが良いと強い紙になるため、さらに繊維を細かくすりつぶし、絡みやすくします。
薬品と混ぜ合わせ、用紙の元となる「紙料」(しりょう)ができあがります。
これらの工程は、集中監視装置により制御されています。
「紙料」を網の上に薄く流してすき、精巧なすき入れ(白黒すかし)を施し、乾燥させて巻き取ります。
巻き取った用紙を印刷する大きさに切り分け、次の印刷工程に送られます。
お札づくりに必要な版面やインキができるまでをご紹介します。
国立印刷局には、高度な技術と芸術的センスを持ち、デザインや彫刻を行う工芸官という専門の職員がいます。
デザイン担当の工芸官は、お札のもとになる絵(原図)を、筆や色鉛筆を使って精密に描きます。
原図をもとに、ビュランという特殊な彫刻刀を使って、金属板に点や線を一本一本刻み込み、原版を作製します。
お札のカラフルな細かい模様や、彩紋(さいもん)と呼ばれる幾何学模様は、最新のコンピュータシステムでデザインします。
工芸官が彫刻した1枚の原版をもとに、多面の大きな印刷用版面をつくります。
印刷時の耐久性を向上させるため、メッキを施して丈夫にします。
複製を困難にするため顔料とワニスなどを独自の配合で練り合わせ、独特な色合いと優れた機能を併せ持ったインキをつくります。
凹版印刷をはじめとする、特殊な技術を施していく印刷工程をご紹介します。
国立印刷局が開発した印刷機に版面をセットし、裏面、表面の順に図柄を印刷します。
1台の機械でオフセット印刷と凹版印刷を連続して行うので、細かい模様を高い精度で印刷することができます。
傾けることで色や模様が変化して見えるホログラムを貼り付けます。
表裏の模様を検査し、表面の印章と、アルファベットと数字の組み合わせである記番号を印刷します。
断裁機で、お札を決められたサイズに正確に切り分けます。
断裁されたお札を機械で1枚ずつ検査し、枚数確認と帯かけを行い、1000枚ずつの束に仕上げます。
フィルムで封包したのち、日本銀行に納入します。
このように、国立印刷局では徹底した管理体制のもと、高品質で均質なお札を生み出しています。
動画で見るお札の製造工程は、こちらのページでご紹介しています。
お札の製造工程(動画)ページへ
関連コンテンツ
証券・その他の製品
旅券(パスポート)、印紙、郵便切手など、公共性の高い製品にも国立印刷局の技術が生かされています。
イベント情報
見学・イベントの日程や内容についてご案内いたします。