紙幣寮 御下絵上納覚 御用控

更新日:2026年2月10日

各収蔵品の解説をご紹介します。

紙幣寮の御用銅版画師の記録「紙幣寮しへいりょう 御下絵上納覚 御用控おんしたえじょうのうおぼえ ごようひかえ

 明治4(1871)年に設立された紙幣寮(国立印刷局の前身)では、お札や切手を製造するにあたり、
印刷に必要な原版彫刻を担う民間の銅版画師を抱え、御用銅版画師として重用していました。本資料は
御用銅版画師を務めた中村月嶺げつれいによる、紙幣寮より受注した下絵の内容の記録手控え帳です。
 表紙には「七年十一月ヨリ明治十一年十二月迄」とありますが、実際には明治19年までの記載が見ら
れます。内容は、受注の詳細、製作期間、作業分担、勤務実態、俸給ほか書店や多くの関係者の名前が
見られ、紙幣寮の仕事を請け負った銅版画師の実態が綴られた数少ない資料です。
 特に、月嶺とその師匠にあたる柳田龍雪りゅうせつとの共同作「鳥切手」(明治8年1月発行)に関するデザイン
の記録は注目に値します。発行された切手と、当資料の記述を比較すると、踏襲した箇所や変更箇所が
浮き彫りとなり、デザインの変遷を知る手掛かりとなります。

御用控中身鳥切手図様に関する記述 中村月嶺記

筆者中村月嶺
制作年明治7(1874)年
サイズH170×W115mm
本文ここまで