解説

各収蔵品の解説をご紹介します。

高度な手彫り技術 証券印紙20円

収蔵品画像

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地紋印刷(拡大・薄紫色の部分)

 日本初の収入印紙は、「証券印紙」という名称で明治6(1873)年に発行が始まりました。20円券はその最高額券であり、明治7年に発行されましたが、本資料は現存数が極めて少ない未使用品です。
 紙幣寮(現・国立印刷局)に近代的な印刷技術が導入される前のもので、政府から依頼された民間の職人が腐食凹版[ふしょくおうはん](エッチング)の技法で原版製作した「手彫印紙」です。同時代の「手彫切手」に似ていますが、印紙は切手よりも額面金額が高く、高額券には偽造防止のために地紋印刷が使われています。これは、他の手彫り製品には見られない珍しいもので、米粒に模様を彫刻するような細密画線には高度な職人技が認められます。

発行年 明治7年(1874)年
技法 腐食凹版印刷
サイズ H28×W28 mm

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