太政官札の版面
更新日:2024年1月19日
各収蔵品の解説をご紹介します。
明治初頭の手彫り版面 太政官札(だじょうかんさつ)の版面
明治元年に日本初の全国通用紙幣として明治政府が発行した太政官札の印刷は、腐食凹版(ふしょくおうはん、エッチング)による銅版印刷で行われました。
銅版は大量の印刷に付すと摩耗するため、複数の印刷用実用原版が必要です。しかし、当時は正確に複製する技術がなく、実用原版も一つ一つ手彫りで製作したため、それぞれの画線に微細な違いがあります。本収蔵品は、こうした手彫りの実用原版の一つです。
厚さ5ミリ程で、裏面には金づちでたたいたウロコ状の模様があり、鍛造した銅板であることがわかります。腐食凹版印刷は、江戸時代末に一部の藩札にも使われており、木版印刷にくらべて細い線が描ける特殊な技術だったので、偽造防止効果が期待されたのですが、すぐに偽札が出回り、紙幣史のうえでは短命に終わりました。
製作者 | 玄々堂緑山(げんげんどう ろくざん) |
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製作製 | 明治元(1868)年~2年(1869)年 |
素材 | 銅 |
サイズ | 各H154×W66xD5 mm |
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